1. HOME
  2. 日々是好日
  3. 未分類
  4. 色合わせ

色合わせ

弊社では、毎朝の朝礼終了後に昨日染めた糸を全て集めて社長である私が色確認を致します。

理由は、担当した職人の癖による染色のバラつきを軽減したいためです。

弊社では綛やチーズ、担当するお客様によって染める職人が決まっており、その担当者によってそれぞれ色の方向性というか癖があります。


昔は男色担当、女色担当に分かれていました。


男色とはネクタイに代表されるいわゆる男性が使用する商品の事を指し、女色とは女性用を指します。

同じ赤でも男性は重厚感というか、渋みを好まれる傾向がありましたので、色差を例えて「動脈と静脈の違いや!!わからんか?」なんてよく言われました。


もっとも、最近ではネクタイも女性が選ぶ事が増えたせいか?製作時に色差について話すことが無くなってきましたが。


色の癖とは、担当者によって扱い慣れた染料や、色の方向性が微妙に違う事です。



「色見本に忠実に染める」


お客様の立場からすれば、これは絶対条件。



しかし、

「見本と弊社が使用する染料が違う」
「色見本と染める現物の糸が違う」
「見る光源が違う」

など、様々な条件をクリアしなければ現実的にはかなり難しい問題なのです。


天然繊維である絹糸は産地やロットによっても想像以上に変化が大きい素材です。


それに精練工程まで加わりますから、まさに同じ物は二度とありません。


ですから、反応染料など硬い染料も使う場合は毎回確認作業を行います。

「色を合わせる」というシンプルな作業の奥には、糸の風合いや毛羽立ち、光沢など多くの課題も付属します。


光源につきましては、太陽光【自然光】で見る場合、天気や季節によっても異なります。

また、日が暮れるのが早い冬場では仕事が捗りませんので、光源が太陽光【自然光】指定の場合は、社内にある光源BOXのトルーライトを使用して色合わせを行います。

DSC00852


最近は、糸で色合わせするよりも、糸をカラーチップに巻きつけて『面積』を大きくして見る方がより見やすいだろうとの意見から、社内でカラーチップを作成し、色確認に使用する方法へと移行しています。

DSC00856



これからも、良いと思われる事には積極的にチャレンジしていきたいと思いますので、色確認方法で、良きアドバイスやご意見ご希望があればご連絡いただけると幸いです。


日々改善で頑張ります。