圧倒的な黒
啓蟄(けいちつ)3月6日~3月20日
啓はひらく、蟄は土の中で冬ごもりをしている虫を表しますので、暖かさを感じた虫たちが目覚め、地上に這い出す季節という意味です。
とはいうものの、本日3月9日は朝から雪でした。
虫たちどころか、私まで動きが鈍くなりそうですが、
地面がうっすらと雪に包まれている風景はこの冬最後かもしれませんので、
風景を楽しみつつ気持ちを切り替えて仕事にとり掛りました。
さて、ブラックトレジャーがいい感じに仕上がってきました。
圧倒的な黒。
今までの黒が濃紺やチャコールグレーに見えてしまうほどの濃度です。
当然、さまざまな染色に携わる私たちが‘スバラシイ’と感動するくらいですから
ただ濃いだけではありません。
まず黒の色目にこだわりました。
一般的に黒には赤黒・青黒といった方向性がありますが、過去の40年のデーターを掘り起こし、最も好まれる黒を探し出し、更に濃度を追及しました。
次に堅牢度
‘シルクだから仕方が無い’または‘濃色だから仕方ない’ではJapan Madeは語れません。私たちは堅牢度の事も考えて研究を重ねました。
最後に風合い
和装に代表されるような艶やかな、そして吸い付くようなシットリとした風合い。
サラサラぺらぺら・・・とはわけが違います。
研究に時間とお金を費やしますが、これがモノ作りに携わる者の役割であり、利益は更なる研究に使用するという循環還元が大切だと考えています。
啓蟄(けいちつ)に合わせてムクムクと動き出しますね。