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宮崎駿監督

1ヶ月ほど前になりますが、京都市内で宮崎駿氏と養老孟司氏という
素晴らしいお二方の対談を距離わずか2~3メートルの間近で聞く機会を頂きました。

映画の撮影秘話だけでなく、仕事に対する取り組み方、
今の若者に感じる事、これからの日本などなど話題は多岐に渡りますが、
専門用語を一切使わずどれも私達と同じ目線でとても分かり易く、
また実行し易い言葉でお話されましたので、

偉人に対して大変失礼ながら‘身近なおっちゃん’のような
とても親近感の持てる素敵な内容でした。


対談の中で、宮崎駿 監督が絵を見るとその人が育った環境が見えてくるとおっしゃった事が印象的でした。


例えば土の色。

土を赤く書く人は関東人、黒く書く人は関西人。


漫画を書く人の基本は幼少の頃何に刺激を受けてどんな環境で育ったのかが大きく作用します。
入ってくる情報がテレビや漫画だけで育った人は広がりが乏しい。

映画‘トトロ’を見て育った若者は、田舎風景を書かせるとトトロの田舎を書いてしまう。


たまにお母さんから「うちの子はトトロが大好きでもう60回は見ています!!」

と言われる事が有る。これは異常なんです。


作者的には1年に1回チラッっと見て、自分の中でハッとするのがいい。

あくまでも漫画はサブカルチャーですから。入り口でいいんです。

と、おっしゃっていました。


また、平成20年4月には三鷹にある三鷹の里ジブリ美術館のコンセプトそのままに、

社員の子ども用の保育園を作られたそうです。


バリアフリーとは真逆の作りで、やたら階段や段差が多く、
何か出てきそうな真っ暗な地下室を作ったり、
耐震強度を基準以上にしたら、お寺かお風呂屋みたいになってしまったそうです。


大人が危ない!!と感じる前に年長者が年下の面倒を見るなど子どもなりの危機管理が働く。
親のためにしているのではなく、子供のためにしているのだから、過保護は成長の邪魔!!と、何とも痛快で勢いがありました。

シンプルで、大胆で、勢いがある。オヤジ世代の凄さを痛感した1日でした。