三沢光晴 2
今年の6月、まだ半年も経っていないのに随分過去のイメージがあるプロレスラー三沢光晴の死。
その後対戦相手だった斎藤彰俊選手の自宅が嫌がらせなどの被害を受けているニュースで読んだとき、居た堪れない気持ちになったのを思い出した。
私も学生時代、格闘技に夢中になった時期がある。
私の場合は、毎日毎日厳しい練習を繰り返し、
道場では仲間相手にどうやったら人間が倒れるのかを研究し、
試合になれば今までの成果を確認するように、
素手・素足ではじめて出会った相手を本気で殴り蹴る。
文字にすると何とも野蛮なことなのだが、
実際に行っている本人は相手に対して全く恨みも起こらない。
テレビで試合後に負けた選手が勝った選手の手を高らかに掲げるシーンを目にする事があるが、
あのシーンは相手を心から尊敬しているからこその行動であり、
打算的な考えでの行動ではないと思う。
振り返ると、あの時代に多くの事を学ばせて頂き、今の基礎が出来たように思う。
就職し社会人になると学生時代に比べ、体中アザだらけになったり、
足を引きずったりしながら会社に行き、仕事に支障をきたすのも問題だし、
何より生活の中心が仕事になるので練習時間が作れない。
また、格闘技を職業にして食べていける人はほんの一握りしかいない、
などの理由で格闘技から離れる人が多くなる。
そんな中で斎藤彰俊選手の経歴を見れば大変よく分かるのだが、
斉藤選手は純粋に格闘技が大好きなんだと思う。
フリーで活動していてノアで試合を組んでもらえるようになった斉藤選手からすれば
三沢社長は恩人であり、試合を盛り上げたり、
自分が活躍することが会社の発展へと繋がり、
社長への恩返しであると一生懸命であったのだと思う。
試合中「このやろう~!!」とか、「死ね~!!」と叫んでいたとしても、決して本心ではない。
今回の行動が、純粋な三沢ファンの行動なら三沢本人やご遺族が悲しむから二度として欲しくない。
記事を読んだ私もとても悲しい気持ちになるのでお願いしたい。