中国・春節と国内回帰
本日は2011,2,16に送信されたJFWジャパン・クリエーションのメルマガをご紹介します。
昨今巷でよく耳にする情報がズバリ掲載されていました。
いま、
日本という産地の役割 と 世界から期待されている内容をシンプルに捉え、
作業は勿論ですが、情報の発信にも更に力を注がなければ・・・と危機感を募らせています。
日本には世界に類を見ない高等技術が数多く存在します。
それはそれは‘素晴らしい技術’であり、先人の努力や工夫の賜物です。
しかし、受け継がれ、そしてその代々で磨きあげてきた知識が次の世代へと引き継がれ
ないまま日々消滅しているのも事実です。
「日本には技術力がある」
これは永くて30年間の話です。
引き継がれなければ簡単に切れてしまう真綿のような存在です。
1度途切れた技術や設備を復活させるのは並大抵の努力では成しえません。
途切れてしまう前に、日本という国にしか出来ないことを再確認し、
受け皿を整備するのが最重要課題です。
その課題をクリアするには沢山の壁を越えなければなりませんが。。。
『時勢に逆らうのではなく、また乗っかるだけでもなく、
乗っかりながらも真理を心得る者だけが存続できる』
と教えて頂いた事があります。
今こそ実践するべき歳かもしれません。
誕生日を迎えた私の課題です。
以下、メルマガです。ご参考になれば幸いです。
業界ではひとつの話題が注目されています。
「中国の今年の春節明けはどうなるのだろうか」がそれです。
中国の春節とは日本の正月のこと(旧暦であるため、
1月下旬から2月上旬の間で毎年移動する)で、今年は2月3日が元旦です。
国が定めた休みは8日までですが、実際には15日くらいまで
地方から来る労働者は戻らず、工場が本格稼働するのも21日くらいからです。
昨年の春節明けは、中国の生産基盤、とくに縫製工場に衝撃を与えました。
国に戻った労働者が工場に帰ってこなかったからです。
製造業からサービス業へという労働者の移動は、かつての日本にもありました。
きつい仕事から、きれいで給料のいい職場に移るという動きです。
中国ではその労働者の職場移動の変化がすごいスピードで起こっています。
仕事や最新の機械があっても、労働者がいなければ工場は生産できません。
この結果、日本の2010秋冬物商戦は納期遅れが多発しました。
幸い、昨年は猛暑が続き、夏物がいつまでも店頭で売れました。
納期遅れは、表面的には店頭の大きな混乱を引き起こすことにはつながらなかったのです。
しかし、百貨店アパレルを中心に、この変化への対策として、
“早期発注”を11春夏物から強力に推進しました。
アパレルは平均して従来より1カ月早い受注を行っています。
労働者不足だけでなく、この1年は中国各地の最低賃金アップ問題、
綿花をはじめとした原料高騰問題も重なりました。
中国政府は今後5年間で所得倍増計画を掲げています。
中国はもう安い労働力の国ではありません。
原料高騰もまだ天井は見えず、受注時と生産時の価格差が生じて、
製品の品質低下(不良品)問題を引き起こす懸念があります。
「これまでは我々が工場を選んだ。しかし、これからは工場が発注者を選ぶ時代」。
これはOEMを行う商社の共通認識です。
ロットが小さく、品質にうるさく、納期もせかせ、
工賃も安い日本よりも、ロットが大きい欧米、あるいは
中国アパレルの仕事の方が儲かるというのが、中国の縫製工場の考え。
このため、商社もアパレルも中国工場との取り組みを強め、
専用ラインをいかに増やすかを競っています。
中国生産の依存度を低める“チャイナ・プラスワン”作戦。
ベトナム、ミャンマー、タイ、バングラデシュなどがありますが、それぞれ一長一短があります。
こうした中で、チャイナ・プラスワンは日本という視点もあります。
昨今の国内生産回帰は、こうした中国の生産事情の変化を映したものであり、
回帰現象は長期化するでしょう。
今後はブランド、アイテムごとにより生産の場の吟味が進むと予想されます。
日本企業にとってのチャンスです。
今こそ産地企業が特徴のある素材を提案していくことが、
グローバルな新しい供給システムへの転換の波に乗ることにもつながるでしょう。