夢の扉
夢の扉+
http://www.tbs.co.jp/yumetobi-plus/
立春である2月3日は全国的に極寒でしたね~。
私たちの住む地域では雪は数センチしか積りませんでしたが、気温が-10.5度となり、
染色工場の配管は凍りつき破裂する箇所が相次ぎました。
そんな稀にみる極寒の日にTBS‘夢の扉+’の撮影スタッフの方々が
弊社まで撮影に来られました。
これは、弊社のお客様である福島県の 齋栄織物 ㈱ 様 http://saiei-orimono.com/ が
8デニールというまるで‘煙’のような細さのシルク糸を使用して織物をつくる事に成功され、ヨーロッパで高い評価を受けられた事をTBS‘夢の扉+’で取り上げられたのに伴って、この極細糸の染色をお任せ頂いている弊社の染色工程を撮影に来られたという訳です。
通常、完成された製品や作品は脚光を浴びますが、その裏方で作業を積み上げている弊社は表に出る事を極力避けています。
その理由は完成までには とても長い時間やノウハウの蓄積、協力関係があり、この部分は御依頼頂いているお客様とだけ共有する、いわば財産な訳ですから
この知的財産を弊社が流出させる訳にはいかないう考え方からです。
今回はそのお客様からの御依頼でしたので、初めて撮影をお受けしました。
それにしても8デニールの糸の太さって言われてもピンとこないと思いますが、如何でしょうか?
蚕が繭を作る時に口から吐き出す糸の太さが約3デニールと言われますから、
なんとなく想像がつくでしょうか?
絹糸関連のお仕事をされている方々でも見た事も無い人の方が圧倒的に多い、そんな糸です。
その極細糸を織るというのですから、本当に信じられない神業です。
さて、新しい挑戦には常にリスクがつくのですが、すこし考え方を変えると
新しくない、今、行っている仕事 って先人・先輩が挑戦され成功された作業を繰り返し行っているという事ですから、技術においての成長や発展とまでは言いません。
そこに創意工夫を凝らし、また革命的な挑戦を繰り返す事ではじめて成長や発展に繋がるのだと思っています。
そういう意味からも、日本で脈々と受け継がれた絹糸を扱う技術を後世に引き継ぐ事に
使命感を持っております私ども(弊社)モノ作りに携わる立場のモノは、新しい挑戦は遣るべき事なのです。
幸い私の周囲には齋栄織物様をはじめ果敢に挑戦する勇気を持っておられる方々がたくさんいらっしゃいます。
その方々からパワーやエネルギー、そして負けてられないという新たな闘志も受取り、
これからも士気を高めてシルクと向き合いたいと思います。
撮影に来て頂きました遠藤ディレクターをはじめスタッフの皆様、
ご遠方より御苦労さまでした。
全国に点在されている「果敢に挑戦する勇気を持っておられる方々」を御紹介いただく事で、テレビをご覧になる方々にパワーやエネルギーを発信して下さる事はとても意義深い事です。
この度は大変お世話になりました。この場をお借りしてお礼申し上げます。
今後ともすばらしい番組制作を期待しています。
昨日染めました糸は本日齋栄織物さまへ出荷致します。
次は齋栄織物様にて再会して下さい。
齋栄織物 様、震災から1年が経とうとしておりますが、まだまだ以前のような日常が取り戻せない中でのこの挑戦は言葉では言い表せない位の御苦労が有ったと思います。
その中でひと際光り輝く天女の羽衣のような生地を織る事に成功された事は、御社のみならず、同じ地域の方々にとっても希望という未来に繋がる偉業であると思いました。
既にヨーロッパでは絶賛されておられますが、これからも世界中の方々に
心の満足をお届けして下さいね。
私共も御社の魂の高さを見習い、これからも精進して参ります。
本日は昨日とは大違いの温かい晴天です。
節分を過ぎ、これから暖かい日が日増しに増えてくる事でしょう。
さー本日も頑張りま~す。
ちなみに放送日は3月上旬だそうで~す。