2012年7月6日 命を預かる

今日のかいこの様子は、遅れかいこがやっと繭を作り始めました。
自分を包み隠すために糸をどんどん吐いてる様子を見ていると、かくれんぼしてるみたいです。
先に繭になったかいこ達は羽化して幼虫時の面影が全くなくなってしまいました。
卵の時から見ていると、「この子はどう成長するのかな?」「どんな成長のしかたをするのかな?」
となんだか親のような気持ちです
立派な卵を産んでしいです。
でも繭になった全てのかいこが、すべて羽化して卵を産むと、一頭当たり500個の卵を産むそうなので
オスとメスの割合が半々だとしても、500組・・・
500頭×卵500個は25万個!!!
今回1000頭でも餌不足になりそうだったので、とてもじゃないですが
全部を成虫にして卵を産ませるわけにはいきません・・・残酷な様ですが、一部の繁殖用の繭を残して
先日、糸を干す乾燥場で繭のまま熱を加えて、羽化を止めました。
その繭を振ってみると、死んでしまったかいこがカラカラと音が立てるのを聞いて
さびしい気持ちになると同時に、僕達が普段扱っている絹糸はかいこが命の代わりに
提供してくれているのだと思いました。
社長が常日頃、「絹糸は工業製品じゃないんだ、命を預ってるんや!」という言葉が
飼育をしてみるとよくわかります。
日頃身の回りにある絹製品は、実はかいこの命の塊なんです。
1ヶ月半成長を見守ってきたかいこが、繭を残してくれる姿は本当に美しいですし
僕達自身が恩恵にあずかり、生かされているのだと思いました。
次回の更新は、そのかいこの産卵をお届けできると思います。
命のバトンのリレーをお見逃しなく。