2012年7月10日 恩恵への感謝

いよいよ夏らしくなってきました。日差しが目に痛いくらいです。
さて、カイコ達がどうなったのか早速様子を見てみましょう。
卵を残すために10個ほどの繭を熱処理しないで残していたところ
無事次々と羽化して、交尾をして子孫を残してくれました。
人間の親指にも満たない体から、次の世代の命を約500個も生み落とせるなんて、
本当にカイコは生命の神秘に満ち溢れています。
そして、生み落とされた直後の卵は黄色しているのですが、時間がたつにつれて色が変わってきています。
これは有精卵である証と同時に、越冬してから孵化する休眠卵である可能性が高いという事が分かるそうです。
休眠卵ではなかった場合は、また2週間ほどで孵化して、幼虫→繭→成虫→卵のサイクルが繰り返されていくのです。
現代は冷温保存の技術が高くなり、カイコの卵を保存しておいて、必要な時期に必要な頭数を
孵化させる事が出来るようになり、日本では養蚕家の方が年に4~5回程度、繭を取るそうです。
ブラジルの養蚕ではホントかウソかわかりませんが、なんと年に9回も繭を取るそうです。
こうして、カイコの特徴を人間の都合に合わせてもらって、あの美しい絹糸の恩恵を受けているわけです。
皆さんも、一度カイコの繭を作る姿を生でご覧になってみて下さい。
きっと使い捨ての時代の考え方が変わり、感謝の気持ちが生まれてくると思います。
さぁ、カイコの命のリレーもバトンがきっちり次世代へ渡りました。
次回の更新で、今年の「今日のくわとかいこ」を一旦まとめたいと思います。
最後までお付き合いくださいね。