2011年8月2日 神秘の環境適応
みなさん、こんにちは。
さて、前回休眠卵の話を取り上げましたが、
依然、山嘉精練のかいこの卵は孵化しそうにありません。
何故なんでしょう?
仮に、休眠卵だったとして、今は夏のど真ん中で
冬になる気配すらないのに、どうしてかいこ達は卵を越冬させる休眠卵にしたのでしょう?
前回7月5日頃
晩秋蚕シーズンをお届けするつもりだった僕達としては、
予定が大きく変わってしまい、自然の生き物を相手にする大変さが身にしみます・・・
休眠卵について調べてみると、
「25度以上の気温で孵化したかいこが産んだ卵は休眠卵になる」とありました。
う~ん・・・5月下旬にかいこが孵った際の気温は覚えていないので
なんとも言えませんが、寒かった記憶もないので
やはり25度を超えていたのかもしれません。
にしても、卵を産むときの気温ではなく、孵った時の気温が
次世代に影響を与えるなんて、かいこの環境適応って神秘ですね。
だって、人間で考えてみて下さい。
冬生まれは風邪をひきにくいとかの俗説は聞いたことがありますけど
でもそれはその生まれた子供に備わる性質であって、次世代への影響ではないですよね?
イラストレーター:わたなべふみさんの作品
おぎゃ~っと生まれた時の気温で、その子が大きくなって生むであろう子供の特徴が決まるんですよ?
想像がつきません。
でも、人間もすごいですよ。
温度管理をする事によって、この休眠卵の特性を逆手に取り
年に何回も孵化させて繭を作らせてしまうんですから。
菰野町 広報こもの「歴史こばなし」より画像引用
さぁ、日に日に休眠卵の疑いが強くなってきた山嘉精練のかいこの卵。
果たして、次回の更新までに孵化しているのでしょうか?
みなさんも、ドキドキしながら待っていてください。