2011年7月5日 命の結晶
みなさん、こんにちは。
毎日、暑いですね。
さて、かいこ達はついに羽化しました。
ただ、全ての繭から成虫が生まれて、全てが卵を産むと
次世代のかいこの飼育数は天文学的数字になってしまいます。
さらに、繭から出てくる際に、繭に穴をあけたり、おしっこをかけたりして
汚れたりするので、絹糸として使えなくなるそうです。
ですので一部の繭を残して、他の繭は全て熱処理をして
かいこが繭から出て来ない様にしてしまいます。
残酷なようですが、繭から絹糸を取るというのは、かいこ達の犠牲の上に成り立っているのです。
仕事で絹糸を扱っている者として・・・というよりは
かいこの成長を見守ってきたものとしては複雑なものがあります・・・
あんなに一生懸命桑の葉を食べて、2日間もかけて繭を作っていたかいこ達・・・
今までは絹糸に対して特に深く考えずに、精練や染色をしていました。
仕事柄、絹糸をつい工業製品と捉えてしまいがちですが
カイコの命の結晶を扱わせてもらっているのだと、改めて感謝の気持ちを持つようになりました。
命の大切さを学んだ一カ月半でした。
そして、かいこ達が卵を生みそれがまた孵り、かいこ達がつないだ命のリレーが始まります。
まだまだ、かいこの様子を随時ご報告していきますので、お楽しみに。