2011年7月1日 かいこの数え方
皆さん、こんにちは。
とうとう七月に入りました。
朝晩は比較的過ごしやすいものの、日中の暑さは、耐えがたいものになってきました・・・
今年の夏は一体どこまで暑くなるのでしょう。
この暑さも、自然界に生きる生き物にとっては気持ちの良い暑さの様です。
桑の木にも色々な生き物が集まってきています。
桑はかいこだけのものかと思っていましたが、
色々な生き物が生きていく環境を提供しているみたいです。
さて、かいこ達はみんなスヤスヤと眠っています。
この前までは、桑の葉を食べる音などがしていましたが、今はシーンと静まり返っています。
本当に繭の中で生きているんですかね?
ところで、皆さんはかいこの数え方をご存知でしょうか?
1匹、2匹だと思っていませんか?
実は、かいこは家畜と同じ扱いになるそうで
「1頭、2頭・・・」と数えるんだそうです。
牛や馬なら分かるんですが、かいこだとちょっとイメージ出来ませんね。
でも、民俗学で度々取り上げられる「遠野物語」の中に
こんな昔話があるんです。簡単に要約してお届けします。
昔、ある所に、それはそれはかわいい女の子がおりました。
幼いときから女の子は、白い美しい馬とともに暮らし、
一緒に野山をかけめぐったり、とても仲良しでした。
村山直儀 画 「幸福の白い馬」
白い馬も女の子を慕い、片時も離れることがありませんでした。
成長した女の子はいつの間にか白い馬を本当に愛してしまいました。
しかし、夜も昼も少女が馬屋で暮らすようになったのを
少女の父は怪しみ、とうとう馬を木に吊るして殺してしまいました。
少女は冷たくなった馬を抱いて悲しみ、いつまでも離しませんでした。
すると、ふたつの体は離れることなく天に昇っていったのです。
父は慌てて、「わしが悪かった、許してくれ!」と叫びました。
娘は「いいえ、お父さん、私たちはうらんでおりません。
明日の朝、庭の臼の中を見てください。
それが私たちからの贈り物です。お父さんへの私たちの心です」と言いました。
翌朝、臼の中を見ると白い小さな虫が数匹動いていました。
父親は驚いたものの、娘の生まれ変わりだと思い、
馬の顔をしているその虫を大事に育てている内に、繭をつくりました。
その繭から絹糸をとって、その村は潤っていったそうです。
・・・どうですか?
かいこは漢字で書くと、天の虫と書きますよね?→「蚕」
そして、なぜかかいこは1頭、2頭と数えます。
更に、前回のブログに書いていましたが、背中の模様は馬の蹄にもみえます。
なんだか、奇妙な一致ですよね。
馬だったならば、1頭2頭と数えるのも納得です。
他にも色々な昔話が各地に伝わっているみたいです。
かいこと人間の関係は本当に昔からずーっと続いているんですね。
他の昔話も機会があればご紹介していきたいと思います。
次回もお楽しみに。