2011年6月8日 白色の歴史
みなさん、こんにちは。
かいこたちは今日も元気いっぱいです。
休みの間に一段と大きくなりました。
今回も脱皮の様子を見逃してしまったようです。
どうやらこのかいこ達は、人前で着替えが出来ない
かなり恥ずかしがり屋なかいこ達の様です。
桑もかいこの食欲に負けない様に、ものすごい勢いで伸びています。
5月23日
6月7日
よ~く観察してみると、桑の実が色づいていました。
どんな味がするのでしょう?甘いのかな??
「赤とんぼ」
三木露風作詞・山田耕筰作曲
夕焼小焼の、赤とんぼ
負われて見たのは、いつの日か
山の畑の、桑(くわ)の実を
小籠(こかご)に摘んだは、まぼろしか
十五で姐(ねえ)やは、嫁に行き
お里のたよりも、絶えはてた
夕焼小焼の、赤とんぼ
とまっているよ、竿(さお)の先
童謡の「赤とんぼ」にも歌われている様に、昔は桑とかいこが生活に中に溶け込んでいたんですね。
今の子供達に、この歌の情景が分かるのでしょうか?
機会があれば聞いてみたいと思います。
さて、前回から「かいこはなぜ白いのか」をテーマにお送りしております。
今回も、ほんまでっか!?なスタンスでお楽しみ頂ければと思います。
ではまず、そもそも、かいこはいつから白いのか?という所を調べました。
養蚕は、野生のクワコを家畜化したのが始まりとされているそうです。
かいこの親戚であるクワコの体色は茶色です。
左:カイコ 右:クワコ
TOSS 理科写真集より
これは、自然界で生き延びるための保護色だと考えられているみたいです。
そして、人の手で管理されているかいこにも様々な種類がいるようで
軽く調べただけでも、これだけのバリエーションがあるんですね。
標準的な蚕
姫蚕(斑紋が無い)
暗色蚕(体色が灰色)
レモン(体色が黄色)
虎蚕(体節に細い縞)
黒縞蚕
油蚕(皮膚が透明)
まだら油蚕(斑入り状で皮膚が透明)
モザイク蚕
「東京農工大学農学部生物生産学科 蚕研究室」 より
シマウマの様な柄がインパクトありますね。まるでエビのブラックタイガーのようです。
インターネットに溢れている情報によると・・・養蚕の歴史は古代中国で始まり
一説には4500年以上(諸説有り)の歴史があり、日本には弥生時代には伝わっていたそうです。
江戸時代の浮世絵にも養蚕の様子が色鮮やかに描かれています。
「かいこやしなひ 第六」 1786年 勝川春章(北尾重政)東京農工大学付属博物館 蔵
その養蚕の歴史における極めて初期の頃(おそらく中国で)
突然変異として白いかいこが生まれ、以後その系統が受け継がれているとありました。
いきなり白いかいこが生まれてきたら病気だと思っちゃいません?
僕たちだって前述のシマシマ柄のかいこをみた瞬間は「なんじゃこりゃ!?」ってなりましたけどね~
突然変異ってことは、今までのかいことは性質も違うでしょうし
余程何かしらのメリットがないと育てないと思うのですが・・・
白いかいこの方が上質な糸を吐いたのでしょうか?
う~ん、その当時の人にインタビューして聞いてみたいですね。
突然変異説は最後の逃げ道としてひとまず置いておきましょう。
今回は歴史的な観点から、かいこの白さの謎に迫りました。
が、まだまだ謎が多く残っています。
次回も解明に取り組みたいと思います。
ご期待下さい。