2011年6月10日 白色と桑
皆さん、こんにちは。
梅雨の晴れ間は、空気もきれいで爽やかですね。
青空の気持ちよさというのは格別です。
さて、かいこ達もどんどん大きくなってきています。
大体5センチくらいでしょうか?
耳をすましてみると・・・
「サリサリサリ」とかいこ達の桑の葉を食べる小さな音が聞こえてきます。
成長して、アゴが大きくなってきたのでしょうか。
あわてずによく噛んで食べるんだぞ。
さて、「かいこはなぜ白いのか?」をテーマに
書いてきた訳ですが、まだかいこの謎は残っています。
それでは、今回もほんまでっか!?なスタンスで、色々な角度から謎に迫りたいと思います。
そもそも、「緑の葉っぱを食べているのになぜ白いのか」という
考え方が間違っているのではないでしょうか?
テーマの大前提をひっくり返してしまって、ごめんなさい。
でもわれわれ人間だって、白米を食べたからと言って、
肌が白くなるわけじゃないですよね?
ミカンばっかり食べてたら指が黄色くなったことはありますが。
このアプローチはなかなか良いところまで近づけました。
インターネットで調べてみたところ、白い繭を作るかいこには、
桑の中に含まれている色素を体内に吸収する働きがないそうです。
なんと、かいこには色素を分解する酵素がないんですって!!!
だから、食べた桑の葉の色素は全てフンとなって体外に排出されてしまうのです!
どうですか?
これ答えじゃないですか?
・・・しかし、この仮説にも穴がありました。
だったらかいこは、クワコと別れた際になぜ白くなることを選んだのでしょう?
左:カイコ 右:クワコ TOSS 理科写真集より
茶色のままでも良かったわけですし。
う~ん、行き詰ってきました。
そこで、今度は逆説的に考えてみました
「桑の葉を食べているから、白いのでは??」
ここまでくると、もうどんな些細な可能性でも信じるしかありません。
桑の葉は健康食品としてかなり認知されているみたいですね。
動脈硬化や糖尿病に効果があると説明は省きますが、
どうやら、この成分に白さの秘密がありそうですよ!
さて、桑の葉の成分の特徴として、
ビタミン、ミネラル、食物繊維を豊富に含み、鉄とカルシウムを豊富に含んでいて
カルシウムも牛乳お比べてもgたりの含有量は圧倒的に高いそうです。
桑の葉のビタミンB1は、食品の中でも多く含まれることで有名な
豚肉のロースとほぼ同じレベルで
杉本畜産 杉本ポーク 様より画像引用
B2に関してはレバーペーストとほぼ同じくらいの含有量みたいです。
ビタミンCに関しても、みかんやグレープフルーツと同じくらい含まれているみたいですね。
かなり、栄養価のバランスが良いのがわかります。
ここで注目したいデータがあります。
桑の葉ではないのですが、化粧品で有名なメーカーのサイトに『ビタミンB群混合物を経口投与したところ、何も投与し
なかった場合に比べ、紫外線照射などによって生じる色素沈着を抑制することを確認した。この抑制効果(美白効果)
はビタミンCやビタミンEの50倍強力。』と書いてありました。
つまり・・・ビタミンB群を豊富に含む桑の葉には、美白効果があるのではないでしょうか?
かいこは美白によって白くなっているのかもしれません!!
さらに、調べてみると、この仮説を裏付ける情報が飛び込んできました!
桑の根の皮を乾燥させた漢方薬を「ソウハクヒ(桑白皮)」と言うそうなんですが、
漢方薬のネットショップの BestToJp 様から画像引
このソウハクヒ中のフェノール系フラボノイドは、メラニンを生成する過程に直接働きかけることで
メラニンを作りにくくするそうで、同じ美白化粧品原料であるハイドロキノン(化粧品成分の漂白剤)の約3倍
コウジ酸(酒、味噌の発酵菌)の約10倍、ビタミンCの約30倍美白効果を発揮するのだとか。
どうですか?
白さの秘密が、まさか桑の葉の美白効果だったとは。
思えば、長い道のりでした。
かいこの体色の謎を調べるだけのつもりが、色々と脱線してしまいました。
いやぁ、でも、本当に謎が解けて良かった良かった~
・・・と喜んでいると、前年度ブログ担当者の寺尾さんから、
「でも、じゃあ、シマシマのカイコはどうなん?」と厳しい突っ込みが!
「東京農工大学農学部生物生産学科 蚕研究室」 より
ああ~またしても仮説に穴がぁ~~~~
ここまで来て、あいまいな結論で終われませんね!!
次回、「かいこはなぜ白いのか」最終回(予定)
乞うご期待!!