2014年8月11日 カイコガたちと
蛹化から12日余り、いよいよ繭から羽化したカイコガたちがでてきました。
幼虫の大きさを考えると意外と小さいですね。
ところでかいこの繭は、繭糸と繭糸をつなぐ糊の役目をするセリシンという成分で固められています。
繭の中の成虫は、吸胃というところから出る「コクナーゼ」という弱アルカリの液体を出して繭層を内側から
湿らせ、セリシンを溶かして繭層をゆるめます。
そして頭部でゆるくなった繭を押すことで、繭糸を切ることなく繭から出てくるのです。
私はてっきり食いちぎるか繭がパックリ割れるのだと思っていました。
まだまだ知らない不思議のあるかいこ、奥が深いです。
さて、かいこの羽化をお見せしたところで、残念ですが今シーズンは今回で最終回になります。
1ヶ月と少しの間かいこたちと過ごしたのですが、かいこの一生はあっという間ですね。
かつての養蚕農家や、また現代の中でも、めまぐるしい時間の中でかいこから繭をもらい、糸を紡ぎ、
またかいこを育てと繰り返してきたのだと思うと感慨深いものがあります。
かいこを実際に育ててみて絹糸はかいこたちの生命そのものなんだということを知識だけではなく実感することが
できました。
かいこたちが残してくれたきれいな絹糸を今まで以上に大切に扱っていきたいと思います。
ありがとうございました。