絹糸の精練・染色の達人 シルクエキスパート

精練・染色技術紹介「グラフト加工」

生糸研究室

グラフト加工

毛羽立ちやスレを防ぐ改質加工

絹分子と分子の間に高分子を接ぎ木して、ふっくら柔軟なシルクに。

シルクには数多い優れた性質がありますが、デリケートな天然繊維ですので、
摩擦に弱く毛羽立ちやスレが発生したり、黄変するといった弱点もあります。

そういった点を補い、糸の太さもオーダー通りにコントロールするのが『グラフト加工』です。

『グラフト加工』は絹繊維の弱点である性質を、科学的に変える加工ですので
改質加工と呼ばれています。

グラフトとは"接ぎ木"を意味し、幹となる絹分子に合成高分子(グラフトモノマー)を接ぎ木状に
重合させる方法です。こうすることで、絹分子と分子の間に架橋が形成されます。
この架橋が形成されることで摩擦に弱いといった弱点が補われ、
毛羽立ちやスレの発生を防ぐことができます。

更に、合成高分子(グラフトモノマー)を調整することで糸の太さも自在に変えることが可能です。

加工後の絹糸は全体的にふっくらと増量され、かさ高で柔軟になる改質効果が得られます。

グラフト加工の利点

  1. 30〜40%の加工だけで糸繰りや、編む工程のスピードアップが図れ作業がスムーズに進みます。
  2. 加工を施すことで適度なシャリ感が網目にくいこみ編地が乱れにくくなります。
  3. 汗の吸収率が向上します。
  4. 適度なシャリ感で使用時はいつでもサラサラしています。
    シャリ感を出さずソフトに仕上げることも可能です、ご相談下さい。
  5. 毛羽立ちやスレが軽減されます。
  6. 黄変性が低下します。
  7. しわになりにくくなります。
  8. 未加工糸より濃い色に染色できます。
  9. 燃焼性は未加工の糸とよく似ていますが、加工率が増すほど燃え易くなります。

グラフト加工によって「糸が硬くなる」と思われがちですが、
実際は、糸が膨らみ強撚糸になるような感覚です。

絹糸は、産地や季節、蚕の種類によって状況はまちまちですので、
グラフト加工でも微妙な調合能力が問われます。

これまでに、多数の経験値をストックしてきた弊社ならではの
最適なグラフト加工を提供いたします。



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